サボテンは乾燥に強い植物ですが、寒さや湿気には弱いため、冬場の屋外栽培では特に注意が必要です。冬越しの管理を誤ると、寒さで傷んだり根腐れを起こして枯れてしまうこともあります。本記事では、屋外でサボテンを冬越しさせるコツを詳しく解説します。

1. サボテンが冬に枯れる主な原因
冬場に屋外で育てる場合、サボテンが枯れる原因は大きく以下の3つに分けられます。
① 低温によるダメージ(寒さに弱い品種の場合)
サボテンの多くは耐寒性がありますが、品種によって耐えられる温度が異なります。特に熱帯系のサボテン(柱サボテン、ハシラサボテン、ウチワサボテンの一部など)は寒さに弱いため、冬場に外気温が0℃以下になると枯れることがあります。
🔹 対策
- 耐寒性のないサボテンは室内または温室に移動
- どうしても屋外に置く場合は発泡スチロールの箱や不織布などで防寒対策
- 日中は日差しの当たる暖かい場所に移動する
② 霜・雪・冷たい雨によるダメージ
冬場に霜や雪がサボテンに付着すると、細胞が凍結し、組織が壊れてしまうことがあります。また、雨が当たり続けると土が湿ったままになり、根腐れを引き起こします。
🔹 対策
- 霜や雪が直接当たらないように防寒対策をする(軒下や雨よけのある場所に移動)
- 鉢植えは棚の上に置く(地面の寒さを避けるため)
- ビニールシートや寒冷紗をかける(夜間の冷え込みを防ぐ)
③ 水のやりすぎによる根腐れ
冬のサボテンは休眠期に入り、生育が止まります。この時期に水を与えすぎると根が腐りやすくなり、枯れる原因になります。
🔹 対策
- 基本的に冬場の水やりはしない(目安は1ヶ月に1回程度)
- 葉がしわしわになったり萎れたら、暖かい日の昼間に少量の水を与える
- 雨ざらしにしないように注意(鉢植えなら雨の当たらない場所へ移動)
2. 冬場に屋外でサボテンを守るための管理ポイント
① 耐寒性のあるサボテンを選ぶ
もし屋外で冬越しさせるなら、寒さに強いサボテンを選ぶのがベストです。
✅ 寒さに強いサボテン
- ウチワサボテン系(耐寒性がある品種)
- マミラリア属(種類による)
- エキノプシス属
- ロビビア属
⚠ 寒さに弱いサボテン(屋外冬越しは避ける)
- 柱サボテン(特に金閣柱・青柳柱)
- ハシラサボテン
- ヒボタン(接ぎ木サボテン)
- エピフィルム(森林性サボテン)
耐寒性のあるサボテンなら**-5℃程度まで耐えるものもあり**、適切な管理をすれば屋外で冬を越すことができます。

② 屋外の設置場所を工夫する
冬の屋外栽培では、サボテンを置く場所が非常に重要です。
☀ おすすめの場所
- 軒下やベランダの壁際(霜・雪・雨を防げる場所)
- 南向きで日当たりの良い場所
- 棚の上やブロックの上に置いて、冷え込みを防ぐ
⛔ 避けるべき場所
- 地面に直置き(冷気が伝わりやすく、根が凍る可能性がある)
- 風が強く吹き付ける場所(寒さが増し、乾燥しやすくなる)
- 水が溜まりやすい場所(根腐れの原因になる)
③ 防寒対策をする
特に気温が0℃以下になる地域では、防寒対策が欠かせません。
🛠 おすすめの防寒方法
- 不織布や寒冷紗をかぶせる(通気性が良く、凍結を防げる)
- ビニール温室や簡易温室を活用する
- 発泡スチロールの箱に入れる(夜間だけでも保温効果あり)
- 鉢の周囲を藁や布で巻いて保温
これらの方法で、寒さによるダメージを軽減できます。
④ 水やりを極力控える
サボテンは冬に成長が止まるため、水やりはほとんど不要です。水分が多いと冷え込みによるダメージが大きくなり、水分が凍結して組織が壊れる原因になります。
✅ 水やりの目安
- 冬は基本的に水を与えない
- 葉がしわしわになったら、暖かい日の昼間に少量の水を与える
- 地植えの場合は、自然の雨で十分なことが多い

3. まとめ
冬場に屋外でサボテンを栽培する際に枯らさないためには、低温・霜・水やりに注意しながら、防寒対策を施すことが大切です。
🔹 冬越しのポイント
✅ 耐寒性のある品種を選ぶ(寒さに強いウチワサボテンやエキノプシスなど)
✅ 霜や雪、冷たい雨が当たらない場所に置く(軒下や南向きの壁際が理想)
✅ 防寒対策をする(不織布・ビニール温室・発泡スチロール活用)
✅ 水やりはほぼ不要(寒さで根腐れしやすいため、控えめに)
これらの管理を徹底すれば、屋外でもサボテンを無事に冬越しさせることが可能です。大切なサボテンを枯らさないよう、適切な管理を行いましょう!